「涼宮ハルヒ」シリーズ、どこから読めばいい? これからハルヒを読むあなたへ
「涼宮ハルヒ」シリーズ最新刊『涼宮ハルヒの直観』発売おめでとうございます。
シリーズ約9年ぶりの新刊ということで、大変嬉しいです。
それにともなって、「せっかくだし、涼宮ハルヒシリーズを読んでみたい!」と興味を持つ人も出てくるでしょうし、そういう人が増えてほしいと思っています。
しかし、「どこから読んだらいいんだろう?」「基本的な設定は知ってるけれど…」「アニメは見たけれど…」と、人によって理解度は様々だと思います。
今回はそういった方に対して、少しでも役に立つ記事が書ければと思い、シリーズの順番や覚えておきたい大事なポイント、その他コミックスについて書いていきます。
「涼宮ハルヒ」シリーズの順番と要点
初めての人・アニメを見た人それぞれへ向けて
アニメ・コミックスの話
- 「涼宮ハルヒの憂鬱」について
- 「涼宮ハルヒ」シリーズの順番と収録作品
- 内容に関する要点
- 最新刊『涼宮ハルヒの直観』について
- 初めてハルヒを読む方へ
- アニメを視聴済みの方へ
- パロディマンガもおすすめ
- おわりに
「涼宮ハルヒの憂鬱」について
概要
「涼宮ハルヒ」シリーズは、『涼宮ハルヒの憂鬱』をはじめとしたライトノベルシリーズです。作者は谷川流(たにかわながる)。イラストはいとうのいぢが担当。
第8回スニーカー大賞を受賞し、2003年より刊行されました。
『このライトノベルがすごい!』2005年版で作品部門第1位。
あらすじ
「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」
天真爛漫なヒロイン・涼宮ハルヒと、彼女が結成したSOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)を中心とした物語。
SOS団は涼宮ハルヒを含めた5名であり、団員である主人公キョンはハルヒの言動に振り回されていきます。
しかもキョン以外の3人の団員(長門有希・朝比奈みくる・古泉一樹)にそれぞれ宇宙人・未来人・超能力者であることを打ち明けられてしまいます。
彼らの目的は涼宮ハルヒを秘密裏に監視すること。いったいハルヒは何者なのか?
表向きはみんなで学校生活を楽しみつつも、一般人キョンの苦悩は続きます。
▼ 別記事で書評も書いていますのでよろしければ。
「涼宮ハルヒ」シリーズの順番と収録作品
順番
①『涼宮ハルヒの憂鬱』
②『涼宮ハルヒの溜息』
③『涼宮ハルヒの退屈』
④『涼宮ハルヒの消失』
⑤『涼宮ハルヒの暴走』
⑥『涼宮ハルヒの動揺』
⑦『涼宮ハルヒの陰謀』
⑧『涼宮ハルヒの憤慨』
⑨『涼宮ハルヒの分裂』
⑩『涼宮ハルヒの驚愕』(前)(後)
⑪『涼宮ハルヒの直観』
収録作品
①涼宮ハルヒの憂鬱(2003)
物語のはじまり。
②涼宮ハルヒの溜息(2003)
文化祭で映画を作る話。
③涼宮ハルヒの退屈(2004)
七夕・失踪者の捜索・孤島の別荘の話。
- 笹の葉ラプソディ
- ミステリックサイン
- 孤島症候群
④涼宮ハルヒの消失(2004)
長門有希メインの長編。
⑤涼宮ハルヒの暴走(2004)
夏休み・コンピ研・雪山の山荘の話。
- エンドレスエイト
- 射手座の日
- 雪山症候群
⑥涼宮ハルヒの動揺(2005)
大晦日・一目ぼれ・デートの話など。
- ライブアライブ
- 朝比奈ミクルの冒険 Episode 00
- ヒトメボレLOVER
- 猫はどこに行った?
- 朝比奈みくるの憂鬱
⑦涼宮ハルヒの陰謀(2005)
朝比奈みくるメインの長編。
⑧涼宮ハルヒの憤慨(2006)
文芸部・幽霊の話。
- 編集長★一直線!
- ワンダリング・シャドウ
⑨涼宮ハルヒの分裂(2007)
2年生編スタート。
⑩涼宮ハルヒの驚愕(前)(後)(2011)
敵対勢力(?)の登場。
⑪涼宮ハルヒの直観(2020)
後述
内容に関する要点
番号が付いていないので巻数が分かりにくいですね
順番はだいたいで大丈夫。ざっくり大事なところだけ覚えておこう
- 第4巻「消失」と第7巻「陰謀」は長編
- 発刊が中断したのは第9巻「分裂」
- 第9巻「分裂」より2年生編がスタート
第4巻「消失」、第7巻「陰謀」について
第4巻「消失」は本編でも重要な内容です。
涼宮ハルヒではなく、長門有希がメインになる話です。
人気エピソードのため、アニメ化の際には2010年に劇場版として制作されています。
そして、第7巻「陰謀」は朝比奈みくるがメインになる話です。
中編の多いハルヒシリーズにおいて、この二つは1冊まるまるの長編になる特別な巻です。
「消失」が4巻、「陰謀」が7巻であることを覚えて、後はそれ以前と以降で分けましょう。
第9巻「分裂」について
「分裂」は本編の大きな節目です。
内容的に「分裂」と「驚愕」はセットで考えてください。
学年が進級していないイメージが強いSOS団ですが、第9巻「分裂」から2年生へ進級しています。(朝比奈みくるは先輩のため3年生)
第9巻からは新入団員が登場したり、SOS団の敵対勢力(?)が登場したりと新キャラクターが多い内容となっています。
2007年のここから発刊が中断され、2011年の第10巻「驚愕」が出るまでに約4年。
そして今回の「直観」が約9年ぶりとなります。
最新刊『涼宮ハルヒの直観』について
大きな節目であった「分裂」「驚愕」の後だけど、いったいどんな内容なのか?
250ページを超える完全書き下ろし「鶴屋さんの挑戦」に、発表済みの2つの短編を加えたものになります。
位置づけ的には、本編のストーリーからは少し外れて、鶴屋さんメインの巻になりそうですね。
- 「あてずっぽナンバーズ」『いとうのいぢ画集 ハルヒ百花』収録
- 「七不思議オーバータイム」『ザ・スニーカー LEGEND』収録
- 「鶴屋さんの挑戦」書き下ろしエピソード
初めてハルヒを読む方へ
基本的には刊行順に読んでいきましょう。
時系列順は巻によってバラバラになるので、オススメしません。
角川スニーカー文庫版と角川文庫版の違い
現在、原作の刊行物には2種類があります。
通常のライトノベル、角川スニーカー文庫版は既刊11巻。(「直観」を含めて12巻)
2019年に発売された角川文庫版は、驚愕が前後編一冊にまとまっているため既刊10巻となっています。
角川文庫版は、イラストが削除され、表紙には岩倉しおりさんの写真が使われています。「ライトノベル特有のイラストが苦手」と言う方でも手に取りやすい装丁となっています。内容は著者あとがきに代えて、著名人の解説が寄せられていること以外大きな違いはありません。
お好みで選びましょう。
コミカライズ(コミックス)に関して
小説のハードルが高いと言う方には、マンガ版もオススメです。
ツガノガクにより『月刊少年エース』にて2005年より連載。
2013年にストーリーが原作に追いついたため「第一部完」として完結。
特別な番外編を含めつつ、既刊20巻で原作の内容ほとんど全てをマンガで読むことが出来ます。
特徴としては、細かい部分を除けば、ほとんどが時系列順に編成し直して書かれていることです。
時系列で混乱しないため、非常に読みやすい作りになっています。
私も最初はマンガから入りました
アニメを視聴済みの方へ
アニメ版の概要
京都アニメーション制作で、2006年4月から7月にかけて全14話で放送。
2009年4月から10月にかけて新作14話を加えた全28話が改めて放送。(実質的な2期)
その後2010年2月に劇場版『涼宮ハルヒの消失』が公開されました。
2016年は単純な刊行順や時系列順では無く、アニメ独自の順番構成となっています。2019年には順番に少し変更が入りました。
アニメ化したのはどこまで?
「雪山症候群」などの抜けはありますが、基本的には①憂鬱~⑤暴走までです。
「エンドレスエイト」が8話分もありますが、それでも半分くらいはアニメ化されていると言えるでしょう。
アニメを視聴済みの方で、知っている話を飛ばしたいと言う方は、⑧「動揺」くらいから読んでも問題ありません。
パロディマンガもおすすめ
アニメ視聴済みの方や、基本設定を知っている方には、難しい知識が無くても楽しめるパロディマンガもオススメします。
『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』
ぷよにより『月刊少年エース』2007年より連載された、「涼宮ハルヒの憂鬱」パロディギャグ漫画。2019年2月号に連載終了しました。12巻にて完結。
驚くべきは、パロディ漫画なのに約12年連載し、12巻も刊行されていること。
さらに2009年には京都アニメーション制作により全25話でアニメ化して配信されました。
原作をきっちりリスペクトしつつも、枠にとらわれないぶっ飛んだギャグが人気でした。原作を知っていればもちろんのこと、基本設定を知っていなくても楽しめてしまいます。
『長門有希ちゃんの消失』
ぷよ自身による上記の『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』のスピンオフ。
人気があったので、パロディギャグマンガなのにスピンオフまである。
原作「消失」のパラレルワールドを土台とし、長門有希を主人公にした完全なラヴコメディ。
「もしキョンが長門を選んでいたら?」と言う問いに対する、ぷよなりの回答です。
ギャグマンガのノリはそのままなので、上記の「ハルヒちゃん」が好きな人はぜひご一読を。
『ヤングエース』にて2009年~2016年まで連載されました。全10巻にて完結。
2015年サテライト制作でアニメ化。全17話。
おわりに
「涼宮ハルヒの憂鬱」の刊行、アニメ化から長い月日が流れました。
今でもこうして新刊を楽しめることを嬉しく思います。
対して、「知らない」「読んだことが無い」という人も増えてきたと思います。
今からでもきっと楽しめるので、ぜひこれからも新規の読者が増えてくれることを願います。
最後までお読みいただきありがとうございました。