ノイタミナの15年を振り返る。
ノイタミナ15周年おめでとうございます!
15周年を記念して、Twitterにおいて2月13日までファン投票が行われています。
みなさんはもう投票されましたか?
2005〜2009年度、2010〜2014年度、2015〜2019年度、それぞれから1作品を選べるので、今回は作品を振り返りつつ私も投票しようと思います。
2005 ~ 2009年
ノイタミナの開始が2005年ですから、小学生の頃ですね。そう考えると15年と言うのは本当に長い月日です。
開始された時のことは、うっすらとしか覚えていません。当時は深夜アニメといったらサンテレビという印象でしたし、アニメを本格的に見始めたのは中学生の頃でした。
2006年には「涼宮ハルヒの憂鬱」、2007年には「らき☆すた」が放送開始され、世は萌えアニメブームに花開いていました。
そのため、ノイタミナは「硬派で大人向けのアニメ」というイメージでした。
ラインナップを見てみると、「ハチミツとクローバー」「のだめカンタービレ」「図書館戦争」など女性向けが多いようです。
は、墓場鬼太郎だ…と…?
そして驚くことに視聴済みのアニメが無い。
「東のエデン」「東京マグニチュード8.0」など有名なものがいくつかあるにもかかわらず…
古いアニメを見返すことも多いですが、機会には恵まれなかったようです。
よって、この年は潔く投票棄権。
2010 ~ 2014年
この年になると、前回の18本から大きく増えて33本。アニメ文化が大きくなるにつれて、ノイタミナの名が広まってきたのを感じます。
2009年は「けいおん!」「化物語」がブームを起こし、2011年には「魔法少女まどか☆マギカ」が放送されました。
アニメの本数がどんどん増え始めた頃でした。
四畳半神話大系(2010)
「好機は何時でもあなたの目の前にぶら下がって御座います」
2010年最初には森見登美彦の「四畳半神話大系」があります。
現在「映像研には手を出すな!」を手掛けられている湯浅政明が監督しています。その後脚本の上田誠さんと合わせて、森見作品の映像化にかかせない2人となりました。
主人公の腐れ大学生「私」を浅沼晋太郎さんが演じられ、めちゃくちゃ喋ります。
「私がこのサークルを選んでいたらどうなっていたか?」というパラレルワールドの連作。11話構成でさくっと見ることが出来る良作です。
あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。(2011)
「超平和バスターズはずっと仲良し」
2011年には話題となった「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」がありますね。
ED曲にZONEの「secret base」をカバーし、話の内容との相性が抜群で「おい待て、それは反則じゃろ」と言って悶絶していたことを思い出します。
このあとは、脚本を担当した岡田麻里の名前をよく聞くようになりました。この時に一緒だった長井龍雪監督、田中将賀と共に劇場映画「心が叫びたがっているんだ。」「空の青さを知る人よ」の製作もされています。
こちらも11話構成でさくっと見ることが出来る感動作です。夏に見ることをオススメします。
ギルティクラウン(2011)
「私ね、集なら優しい王様になれると思うな…」
「ギルティクラウン」は友人の心を武器に出来る主人公が、謎の歌姫と共に大きな陰謀に巻き込まれ行くオリジナルアニメ。
キャラクター原案にredjuice。音楽に澤野弘之、supercellのryoプロデュースにより結成されたEGOISTを迎え、誰が見ても分かる力の入りよう。
当時は「約束された神アニメ」と言われていました。知らないとは言わせません。
その結果は梶裕貴の「僕の王の力がああああああ」に詰まっています。
1クール目は王道な展開が進み、2クール目は敵味方が二転三転する展開となっています。長い作品ですが、気になった方はぜひ。
個人的にノイタミナと言ったら「ギルティクラウン」のイメージは強いです。
PSYCHO-PASS(2012)
今日も宜野座の前髪は長い
ノイタミナと言ったら「PSYCHO-PASS」という人も多いのではないでしょうか。
「踊る大捜査線」の本広克行が監督を務め、2011年「魔法少女まどか☆マギカ」「Fate/Zero」を手掛けて知名度を上げていた虚淵玄がストーリー原案を担当しました。
キャラクター原案は『家庭教師ヒットマンREBORN!』を代表作に持つ天野明が担当しました。魅力的な男性キャラが多く、男性だけでなく女性にも人気があります。
シビュラシステムにより犯罪を取り締まる執行官達を描きます。作中で使用されるドミネーターが中二心を揺さぶりました。
グロテスクなシーンや哲学的な内容があって見る人を選びましたが、2014年には「PSYCHOPASS2」、2019年「PSYCHOPASS3」が制作される人気シリーズとなりました。
ROBOTICS;NOTES(2012)
「世界を救う戦いだと、誰かが言った」
「ROBOTICS;NOTES」は2012年にPS3・Xbox360にて発売されたゲームのアニメ化。
四倉千代丸が手掛ける「STEINS;GATE」(シュタインズ・ゲート)に続く科学アドベンチャーシリーズの作品です。
2011年に「STEINS;GATE」がアニメ化され、その面白さに夢中になりました。そのためゲームは未プレイでしたが、この作品にも大きな期待を寄せていました。
種子島を舞台として、ロボット制作に奮闘する高校生たちを描いた青春SF物語。
「STEINS;GATE」視聴済みであれば、登場人物の繋がりを感じられて面白いです。もちろん物語は独立しているので、このアニメのみでも十分楽しめます。
刀語(2013)
「ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな」
「西尾維新アニメプロジェクト」と一つとしてアニメ化された作品。
2010年にアニメ化され、大河アニメと称され、一か月に一話一時間で放送されました。
12本の刀を描く原作12巻を12話を使って描き、EDはすべて別で制作されました。
虚刀流という素手の武術を使う鑢七花と、自称奇策士とがめの冒険活劇。
当時は毎月の放送を楽しみに待っていたことを思い出します。毎月一話ずつなんて、10年経った今でも考えられない挑戦ですね。
ノイタミナでは再編されて再放送されました。
12曲あるEDの中でも個人的に一番好きなのはsupercellの「拍手喝采歌合」。
ピンポン THE ANIMATION(2014)
「心の中で三回唱え、ヒーロー見参!ヒーロー見参!ヒーロー見参!」
卓球を題材として才能や努力を描いた熱い作品。原作の絵をそのままにアニメ化しており、原作で描ききれなかった部分も補完した名作。
11話構成でさくっと見れます。OPの「唯一人」もかっこいい。
四月は君の嘘(2014)
「たくさんの人と、音を共有できた時、たくさんの人に、音が届いた時、心を重ねた時…音楽は言葉を超えるのかもしれない。」
新川直司による人気漫画のアニメ化。
ピアノを弾けなくなった元神童の有馬公生と、ヴァイオリニストの宮園かをりを中心とした音楽物語。当時連載中であったマンガとアニメがほぼ同時に完結する構成で話題になりました。
プロの演奏家をモデルアーティストとして起用した演奏シーンは、とても細かく創り上げられており必見です。
放送中はドはまりして、クラシックコンサートにも足を運びました。
登場人物全員詩人なのか、というくらいに名言が連発されます。
OPの「光るなら」含め、テーマソングは全て好きでした。
冴えない彼女の育て方(2015)
「私を誰もが羨むような幸せなヒロインにしてね」
丸戸文明の人気ライトノベルのアニメ化。全体で見ても、ノイタミナでライトノベルのアニメ化は珍しいです。あとは『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』くらいでしょうか…?
個性的なヒロインたちと同人ゲームを制作する青春恋愛物語。メインヒロインに目立った個性が無いことが個性という異色な作品です。
2017年に二期として「冴えない彼女の育て方♭」、2019年に劇場版「冴えない彼女の育て方Fine」をもって完結しました。
話が進むにつれてメインヒロインがどんどん可愛く見えてきます。ラブコメが好きな方にオススメです。
2010~2014年の総括とサムライフラメンコの話
どう見ても名作ぞろい。一つだけ選べなんて無理でしょ。
視聴済みの中からおすすめ作品をピックアップして紹介していきました。
歴史を考えれば「PSYCHO-PASS」か「あの花」辺りでしょうが、私の人生に影響が大きかった「四月は君の嘘」に投票しようと思います。
あと知ってる人は少ないと思いますし、オススメと言うわけでもないんですが、好きなので「サムライフラメンコ」の紹介をさせてください。
サムライフラメンコ(2013)
「サムライフラメンコ」、通称「サムメンコ」はノイタミナのオリジナルアニメ。
ざっくり言うと、正義感の強い、ヒーローに憧れるモデルの青年が、自称正義の味方「サムライフラメンコ」に扮して活動するが実力不足でボコボコにされる話です。
そして苦難を乗り越えつつ、本物の正義の味方へと成長する姿を描いていくのですが、途中で視聴者を置いてけぼりにする超展開をぶち込んできます。
「これは神アニメの予感がする…!」と毎週楽しみにしていた私も口ポカーンでした。
そんな衝撃の思い出もあって、記憶に残る作品です。
超展開についていければ面白い作品ではあるので、気になった方だけ自己責任でどうぞ。
EDの「デートタイム」が可愛いので好き。
2015 ~ 2019年
この辺りになると最近なので、記憶に新しい作品が多いですね。
簡単にいくつか紹介していきます。
僕だけがいない街(2016)
「『言葉』ってさ、口に出して言っているうちに、本当になる気がする。」
三部けいの人気漫画をアニメ化。OPにアジカンの「Re:Re:」が使われたのをよく覚えています。
主人公悟の視点から過去の謎を解き明かしていく、ミステリーアドベンチャーのような作品。マンガとアニメでは違うラストが用意されており、どういう風に終わるのか楽しみにして見ていました。
甲鉄城のカバネリ(2016)
「六根清浄!六根清浄!」
蒸気機関車「甲鉄城」に乗って生きる人々と不死の怪物「カバネ」との戦いを描きます。和式スチームパンクで、ゾンビもの。
「進撃の巨人」の荒木哲郎監督が担当しており、作画が凄い。特にアクションシーンはめまぐるしく構図が変わり、見ごたえ抜群です。
BANANA FISH(2018)
「お前は良いな。あんな風に飛べて。」
『BANANA FISH』は1985年~1994年まで連載された少女漫画。
私は原作を全く知らず、男性でありましたが2クールしっかり楽しめました。
マフィア、ストリートキッズ、麻薬などアメリカが舞台。血なまぐさい戦闘が繰り広げられる中、「バナナ・フィッシュ」の謎を探っていく物語。
BL部分もありましたが、仲間との友情やアッシュのかっこよさが魅力的でした。
時代を超えたアニメ化にも納得がいく面白さ。
2015~2019年の総括とおわりに
この辺りの年は社会人になってアニメを観る時間が減りましたが、そんな中でも楽しませてくれた「BANANA FISH」に投票します。
近年はアニメを楽しんで育ってきた世代が大人になり、大人向けのノイタミナの価値はいっそう高まったように思います。
「船を編む」や「DIVE!!」など一般文芸からのアニメ化も見られるので、大人向けで硬派なノイタミナ枠は、これからも残っていってほしいものです。
みなさんはノイタミナのどんなアニメが好きでしたか?
疲れたので、今回はここまで。
それでは、またどこかで。