本の魔法が、私に力をくれるから 『図書館の大魔術師』をオススメしたい。
みなさんは『図書館の大魔術師』というマンガをご存知でしょうか。
今回は私の大好きな本の話。
はじめに
私は半年前、本屋さんに並んでいるのを見て、この本を手に取りました。
タイトルに「図書館」と入っているから、ファンタジー系の図書館の話かな?
最初はそう感じて購入しました。
主人公はシオ=フミスと言う、本が大好きで心優しい少年。
だけど、混血で、貧民街に住んでいるがゆえに、村の図書館には入れてもらえません。
冒険小説が大好きで、「いつか小説の主人公が自分を迎えに来てくれる」、「冒険に連れ出してくれる」、そう信じていました。
そんな少年が”主人公”になるまでの物語。それがこの1巻でした。
最初は「絵がとても綺麗だな」と言う印象でしたが、読み進めていくうちに言葉の強さの方が印象的になっていきました。
セリフだけでなく、地の文や語りまで、一つ一つの言葉がまるで詩のように私の心に響いてきて、じんわりと浸透していくのが分かりました。
「今僕はものすごい物語を読んでいる…!!」
そう感じました。
作中の言葉を借りれば、私はこのマンガに、物語に、”突き落とされてしまった”のです。
「1巻を読んでほしい」
私はこの物語を読んでから、「多くの人に読んでもらいたい…!」「薦めたい…!」と強く思いました。
この半年間、いろんな感想サイトや書評サイトを巡って、「どうしたら多くの人にオススメ出来るだろうか」「見てもらえるだろうか」と考えて、ブログを開設したり、noteを始めてネットの文章を練習しました。
このブログを開設した原動力、それがこの『図書館の大魔術師』です。
そして今日、この日を迎えました。
でも一つだけ問題がありました。
普通のマンガを薦める時、私は「1話だけでも読んでほしい」と話します。
しかし『図書館の大魔術師』には出来ません。
なぜなら、1巻がそのまま第1章になっているからです。
だから1話だけでは足りません。「1巻を読んでほしい」のです。
1巻(1話~4話)の試し読みはこちら▼
おわりに
いろんなサイトを巡る中で「なぜかオススメしなければいけない気がしました」と感想を残されている方を多く見ました。
私もまったく同じ気持ちでした。
そういう、人を動かす”不思議な力”が、この本にはあるのだと思います。
王道な物語なので子供向けのように見えますが、私はむしろ大人に読んでもらいたいと思っています。
なぜならこの物語には、本の話をしているはずなのに、まるで人生の話をしているかのような場面がいくつかあるからです。
第3話でセドナがシオへ本の話をする場面は特に印象的で、何度も声に出して読み返すほど好きです。
きっとこれからの人生で、何度も読み返すでしょう。
振る舞いとは思考から始まる
思考は次に言葉に変わり
言葉は行動に 行動は習慣に 習慣は性格に
性格はやがて運命に変わる
ー『図書館の大魔術師』第3話「本のおんがえし」より引用
本が好きな方、子供の頃冒険小説に心躍らせた方、そしてこの文章を最後まで読んでくださったあなたへ、
この物語をオススメいたします。
これからもあなたが良い物語と出会えますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
”僕はあのとき 本の中に入っていた――――
新たな本は未知への扉
表紙(とびら)を開けると そこは広大な別世界
一度少し覗き込む
飛び込むのはちょっと躊躇する
だって 一度飛び込めば しばらくは帰ってこれない
そこには宿題もあるし
部屋の掃除だってやらなきゃいけないんだから
けれど
特別な物語は 読者の意思にかかわらず
大きな何かの力によって――――
突き落とされる”
ー『図書館の大魔術師』第二話「黒馬のしゅじんこう」より引用
*1:https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065112434 版元ドットコム『図書館の大魔術師』泉光著.講談社.2018 より引用